プロジェクトCRF100R製作記

セレクションが考える、これからのホビーとしてのモトクロスマシンをかたちにしました。

以前から一部のマニアの間では評判になっていた通称XCR100(XR100RのエンジンをCR80/85Rに加工して搭載したバイク)ですが、私もその魅了にとりつかれた一人です。

91年式のCR80にXR100Rのエンジンを搭載したXCR100に10数年前より乗っていましたモトクロスの現役時代にもよくコースに持って行って遊んでおりました。

これが非常に面白く,非力なエンジンパワーですので全開全開で乗れてパワーが少ない分早くアクセルを開ける良い練習にもなりました。

誰でも振り回せるパワーがビギナーから上級者まで、それぞれが楽しく乗れる最高のマシンでした。

現在でも市販されているCRF100Rはエンジンそのものは良く回りタフで最高のエンジンだと思います。しかしサスペンションやフレームにドラムブレーキや鉄リムなどモトクロスが出来る装備では残念ながらありません。

そこで作りが本格的しかも設計が新しいCRF150Rに搭載できないかと思いつきました。

XCR100の最大の問題点は、そうとうな加工技術がないと製作できないという点でした。

誰もが、この楽しさを味わえないかな?と考えながら製作したのがCRF100Rです。

当初はCRF150RのフレームにXR100エンジンをボルトオンで搭載できるキット販売をしようと計画していましたが、やはりどうしても量産が難しい部分がでてきまして販売は断念しました。

まだ進化中ですが、現在のCRF100Rをご紹介致します。

まずはCRF150Rの使わないパーツを取り除き各部分の寸法を測っていきます。


エンジン搭載で一番気を使ったのがドライブスプロケットの位置。チェーンラインはもちろんですが、XCR時代にスイングアームのストローク時のチェーンの動きにも非常に大切だと感じていたからです。

CRF150Rの純正のスプロケットの位置になるべく近ずけるようにマウントの位置を何度も試作しました。



XR100のエンジンはスイングアームと共締めにはなっていませんのでハンガーとカラーを製作していきます。

ここでエンジンをセンターに持ってこなくてはいけませんでチェーンラインとの関係が難しく、非常に苦労しました。ここも何度も図面を書きましたね。



リヤマウントも大切ですがフロントのマウントもエンジンの傾斜角が決まりますので、これまた大変なパーツです。

あとで登場する最大の難所が関係してくるのもありますね。



問題のチェーンの通り道でもあるチェーンライン。CRF150Rは下部にチェーンローラーがあるのでこれは是非利用したいパーツですね。

チェンジシフトは何とかなりそうですね。


実際にエンジンを載せて各部の干渉具合や不都合がないか確認しながら慎重に作業を進めます。

タンクとのクリアランスがやはり背の高いXR100エンジンでは苦しいところ。



マフラーの加工は、かなりゆとりもあり簡単そうです,そういうのは一番最後にしましょ。



難しいのはブレーキペダルの取り回し。

150Rはキックシャフトがかなり高い位置にあるので全然問題ありませんがキックシャフトの位置がかなり低いXR100エンジンは、そのままではキックシャフトとペダルが干渉してしまいます。

まあここが腕のみせどころですね。



XCRの経験がある方は分かると思いますが通常のCRF150RのキャブはL側を通ってエアクリーナーBOXにいきますが、XR100系は右側からキャブが出るように設計されています。

これを左側にもってくるのが最大の難所!吸気ポートが左側だったら凄くスマートに作れるのに・・・


車体のハンガーやフランジなどをTAGUさんに製作してもらっている間にサスペンションのモディファイをしておきます。

やはりCRF150RはCR80/85の代替車だけあって、女性や子供が操作しやすい、乗りやすいように各部の寸法や味付けがしてあります。

サスペンションも大人の男が乗るにはノーマルのままではやはり柔らかすぎるのでシム変更(通称バルビング)を施します。

これはCRF150Rが出た時からお客様の車輌でテスト済み(モタードでね)なので、それと同じ仕様でモトクロスを走行してみます。

実際07年のオーバーオールでもクラス優勝しているサスペンションモディファイです。

画像はリヤだけですが、当然フロントも伸び側/圧側とも施します。

これはCRF150Rのオーナー様にも、大変おすすめです。


ハンガーなどの削り物もも出来上がってきたところで、マフラー製作に入ります。

地元のマフラーコンストラクターKURODAYAさんに貴重な曲げパイプを分けていただいたのでその曲げパイプをカットして溶接していきます。



まずは仮付けで全体の取り回しを決めて、そのあとに溶接していきます。けっこう時間がかかる作業です。

マフラー屋さんは大変だと思います。



出来上がりはこんな感じです。

あり合わせのパイプで作りましたので苦しい部分もありますが、まあこんな感じでいいのではないのでしょうか。



全体を組み付けてテスト走行。インプレライダーさんからパワー不足を指摘(当然ですが(笑)いちおうお試しにノーマルエンジン(ヘッド)に使える私が一番パワーが出るとおもってるカムに交換してみます。



このCRF100Rは特にパワーを上げて乗ろうとは思っていませんのでノーマルで十分なのですが、今度出場するレースが当然一般エンデューロレースなので、少しでも高回転のパワーがほしいのでカムで特性を変更してテストしてみます。(当然低回転トルクは薄くなります)


なんとか形になったCRF100Rです。

グラフィックを製作するまで予算が無いのでBBR社製をチョイスしました。もともと小さい会社でしたがこの世にミニモトを広めた凄い尊敬するメーカーですね。

いずれかは、あんなメーカーになってみたいですね。



CRF150Rというメジャーなバイクをベースに使用するとアフターマーケットのパーツが多数使用できますし、もちろん純正部品も使用できますので補修部品にも困りません。

ちなみにファイナルは14−50T(この当時はリヤ14インチホイール使用しています)



エキパイを取り付けると、こんな感じです。サイレンサーは150Rをそのまま使用していますのでアフターマーケット製のマフラーに交換するのも簡単です。

苦戦したブレーキ周りもなんとかできました。



フロントのハンガーは無理言ってポケット加工にゴールドアルマイト処理で高級感を出しました。



リヤハンガーはスペースの関係でアルミ材は諦めて、ステンレス材で削ってもらいました。



イグニッションコイルはフレームの中にステーを製作して取り付けしました。

お気に入りのCFポッシュ製レーシングイグニッションコイルです。






フロントもバルビング済みでハードスプリング組み込み。

これ以上硬くもできますが、やはりミニモトですので250Rとは同じにはなりませんよ。

バランスが大切です。



ハンドルは高いのが好みなのでZETA30mmアップのクランプにレンサル社のミニハイベンドバーを装着

実際乗ってみると絶妙なバランスでスタンディグからシッティングまで良い具合でした、



CDIはいろいろ試してみたいので取替えが簡単なようにステーを増設してこの位置に取り付け。

もちろんハーネスは1から製作しました。こういうの得意なもので・・・

エアダクトはとりあえずステンの板で製作しましたが、いまいち気に入らないのでアルミで削りだして再製作しております。

完成次第後日アップいたします。



ここが一番の苦労するところ。

ステンレス材のフランジを製作してから曲げパイプをカットして溶接していきます。

ここの部分の製作問題で、量産はできなくなりました。



NAG製のクランクケースコントロースバルブも装着

これで吹け上がりも向上しますし、なによりエンジンブレーキが軽減されブレーキング時のコントロールがしやすくなります。





完成いたしました。

2008年11月更に進化! 
nenn  
エアクリーナー接合部を今までのステン板材からアルミ削り出しに変更精度の高い加工で密着度もアップしました。

 
やはりフルサイズマシンに100ccは辛くシフトアップ製115ccシリンダーを投入し、ヘッドのポートも加工、エキパイの内面のバリ取り加工も施しました


 
排気量アップすると発熱量も増えるし、数戦走行したあとのエンジンオイルの劣化があまりにも激しかったのでオイルクーラーを装着。

 
ピストンの裏側の焼けも酷かったので、以前からしてみたかったオイルジェッ加工を施してみました。さて効果のほどは?

 
サイレンサーも環境を考えて94デシベル仕様を使っていましたが音量に問題が無いのが確認できたので98デシベル仕様に変更で、さらにパワーアップ


キャブレターはPD22のままですが、チョークバルブを取外し事実上ボアアップしたのと同じ効果が見込める。

さらにエアベントチューブが詰まらないように2系統にホースを取り出しました。 

 
サスペンションを前回のステージ1よりCONP・TENとも強力にするべくステージ2を開発しました。

同時にリヤサスもステージ2仕様に進化

 





2013年ようやくホイールがスモールホイール(17&14)からラージホイール(19&16)に進化
外装リニューアル+SPIRALハイシート装着

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